松島榮治先生の論文集
■はじめに
■今井東平遺跡の調査とその成果
@黒色磨研注口土器
A敷石住居跡
■修験道関係資料の調査
@万座温泉の“礫石経”
A華童子宮跡
B三原出土の経筒
C今宮白山権現
D熊野神社の奥ノ院
■埋没村落「鎌原村」の調査
@埋没した鎌原村
A鎌原村の発掘
B発掘調査の成果
■峠を越えての文化の流入
@縄文文化繁栄の背景
A修験道隆盛の背景
B鎌原村の生活文化の背景
■おわりに
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2.峠を越えての文化の流入
群馬県の西部そして吾妻郡の西端にあって、周囲を2000メートル級の山々に囲まれ、その居住地域は標高1000メートル前後を測り、年平均気温を8.9度℃とする嬬恋村は、平坦地に比べて決して住み易い所とは言えない。
しかし、歴史的展開を見る時に、他の地域に劣ると言うことは全くない。時代によっては、目を見張るものがあることは、前に記したとおりである。その発展をみる時に、峠を越して他の地域からの文化の流入があったことは言をまたない。以下、その実態について触れることとする。
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